2012年9月1日 winebaraoi

北海道報告 余市①

こんばんは。

北海道報告もいよいよ最後、今までは札幌の東側、空知(そらち)地方のワイナリーさん報告でした。

最終日17日(金)は西に進んで小樽のさらに先、余市のぶどう畑を巡ってきました。

余市、と聞くとお酒好きはウィスキーを想像しますね。(本当は余市のニッカウィスキー蒸留所にも行きたかったのですが、時間不足にて断念。無念(+_+))

が!現在は日本最大のワイン用ぶどうの生産地なのです!

そもそも北海道は日本で一番のワイン用ぶどうの生産地、その半量を余市でまかなっているんです!私も知らなかった、さすがにびっくりでした。

 

こんな感じのぶどう畑がそこらじゅうに広がります。

余市はもともと果樹の産地として栄えていて、りんごを筆頭にプラムやさくらんぼなど、フルーツ王国なんです。

そのりんご畑などが徐々にワイン用ぶどうに植え替えられます。先にご報告した北海道ワインさんや宝水ワイナリーさんなど、道内の他のワイナリーばかりでなく、サッポロワインや栃木のココファーム、京都の天橋立ワイナリーなどなど、他県のワイナリーさんたちも「余市のぶどう」の質の高さに魅了され、余市産ぶどうを原料にワイン造りをしているほど。

 

さらに栽培農家さんに聞いたところ、余市限定で(さらに後述の「登地区」限定で)畑を探している方が多い、とのこと。

 

今後の日本ワインを語る上で外せない産地なのです。

 

そんな余市、最初に伺ったのが「ドメーヌ・タカヒコ」、自らをヴィニュロン(農民)と語る曽我貴彦さんが手がける2010年にスタートした新しいワイナリー。訪問した際にも醸造所の裏側を工事していました。

写真は表玄関。曇り空なのが残念。

貴彦さんのワイン造りに関する考えはとても深いです。興味を持たれた方はぜひ一度ホームページをご覧ください。

「ワイン」っていう一見華やかな飲み物に対する考えが、受け止める人によっては根底から揺るがされるような考えの持ち主。ここで詳しくは書きませんが、畑のそばで、わざわざご用意いただいた椅子に腰かけ伺ったいろいろな話の中で、「ワイン産地として継続していくには」という言葉を何度もおっしゃっていたのが記憶に残ります。

 

 

 

貴彦さんの畑。ぶどうはピノ・ノワール、オンリーです。

まだ若木ですが、ようやく今年からこの畑で採れたブドウでワインを造れると伺いました。

 

畑は一切化学農薬に頼りません。これは言葉にすると簡単ですが、実践するのは現在の日本の農業の中では、とても勇気がいる大変なことです。

今年は順調に育っているとのこと。どうか、無事育ってね、とお祈りするばかりです。

 

醸造所も大変シンプルなものでした。

ぶどうのプレス機と、発酵タンクと熟成樽のみ。

「基本の考えは昔にもどること」とホームページにもある言葉とおり、無駄なものは一切ない潔い清々しい醸造所。

 

 

 

 

これは「kyumura」とありますが、ドメーヌ・タカヒコの現在のフラッグ・シップ、「ヨイチノボリ キュムラ ピノ・ノワール」がこの樽の中で眠っているんですね(^-^)いつかお店で再会するのが楽しみ。

 

 

ドメーヌ・タカヒコがある地域は余市のなかでも「登(のぼり)地区」と言われるところ。北海道の中では海流の影響で比較的暖かく、また果樹の栽培の歴史が深い、ということもあり、ぶどうの栽培適地といわれ注目を浴びています。

この地域には他に「ワイナリー」はないのですが、「ぶどう造りの匠」と言われる方々の畑が点在しています。

そんな「匠」を、次回「余市②」で報告したいと思っています。