2025年5月15日 winebaraoi

「エクス ポスト ファクト シラー2022」

カリフォルニア特集から攻めているワインをご紹介。

「エクス ポスト ファクト シラー2022」

 

新しい、現在のカリフォルニアワインです。 

従来、シラーという品種はフランス、ローヌ地方のスタイルだと「シラー」、新世界、オーストラリアフルーツ爆弾な果実味重視だと「シラーズ」と表記されていました。ざっくりですが。

で、カリフォルニアだと、果実味たっぷり黒々としたブルーベリーのような風味の「シラーズ」が主流でした、が、近年の低アルコール、自然派の流れを受けて、カリフォルニアでもローヌスタイル、さらにそれを研ぎ澄ませたエレガント、ピノ・ノワールのような「シラー」がトレンドとなっています。

 

と知識として知ってはいましたが、今回、このエクスポストを実際に飲むと、驚きと戸惑いがあります。

サンタバーバラ、AVAサンタ・リタ・ヒルズの冷涼な気候と土壌を活かし、収穫のタイミングを考慮して濃縮感はありつつも淡い旨みが印象的。茶葉や青いハーブ、軽やかな胡椒、ラベンダー。涼しげで軽やか、エレガント。まさにクールクライメントシラー。 

ワインのトレンドが変わると、なにもケミカルな操作をしなくても、醸造家の目指すところで、こうも味わいが変わるのかと驚きます。

人それぞれの好みがあるので、このワインの好き嫌い、賛否両論はあると思いますが、ワインの世界的な嗜好の変化をとても感じられます。

 

グラス120ミリ2800円、ハーフ120ミリ1600円と高額なワインですので、ご興味のある方、カリフォルニアワインのファンの方、よろしければお試しください。鮮烈な印象を受けるワインです。