2013年6月4日 winebaraoi

人生初のマデイラワイン

こんばんは。

最初にお伝えしたいことがあります。

先週土曜、お店を急きょ臨時休業してしまい申し訳ありませんでした。(知らないかたがほとんどかと思いますが、臨時休業してしまったのです)

わざわざお店の前まで足を運んでくださった方もいらっしゃるかと思うと、本当ご迷惑をおかけし心苦しいかぎりです。

急の体調不良のないよう、日々の管理を気を引き締めてまいります。

そんな体調不良明けの本日、ワインの試飲会に行ってきました。最近試飲会づいてます。

本日のテーマは「マデイラワイン」。。。

皆様ご存じですかねーーー??

ポルトガルのマデイラ島(太平洋に浮かぶ島)で造られる「酒精強化」と呼ばれるタイプのワイン。要はワインを造る過程で発酵途中に「酒精」、つまり何かしらのアルコールを再度添加してアルコール度数を強化し、それによって特有の風味をまとわせたワイン。ポートとかシェリーも実はこの酒精強化。

そんな酒精強化、主に食前や食後に嗜まれる(飲むっていうよりタシナムって表現がぴったり)事が多のでなかなかタイミングが合わなく、また市場にあまり出回ってないし、はたまた度数の高いマッタリ系って一般受けするかっていうと……なかなか……不遇。

中でもマデイラは極め付け!私は今回初だし、ソムリエマスターも最後に飲んだのって十年以上前…?

ほんとーにざっくりどんなお酒か説明すると、加熱熟成してつくるというのが最大の特徴。なんでもその昔、島で造られたワインを船に乗せ太平洋をわたりヨーロッパまで運ぶ最中に、赤道上を進む船の船底でゆられ熱せられ、って普通に考えたらダメじゃんね、って過程を経たのに実は美味しくなっていた、というアルコール熟成のミラクルから生まれたワイン。

その船底で熱せられっていうのを人工的に行うために熟成庫の中でストーブで温めたり、屋根裏に置き太陽光で自然加熱したりっていう手法で今でも造られ、そこからさらに何年も樽の中で熟成を重ねようやく出荷されます。

味わいは甘口から辛口までありますが、全体的にまろやかな甘味があってちょっとチーズのような発酵風味があり、隠れて酸がしっかり感じられる。20℃くらいの度数ですが甘みがあるので意外にも飲みやすい。秀逸なデザートワイン。

おお、どんな風変わりな味かと思ったらまろやかで美味しいではないですかー!って喜んで試飲してたら…、

スゴイモノをみつけました!!

写真じゃわかりにくいかもですが、左から「1927年」「1912年」「1907年」。。。

えぇぇーーーってなりますよね?

これなに、ヴィンテージ?って一瞬何の数字なのか分からなくなるくらい、超超超古酒たち!

造っている過程で加熱され酸化熟成が進んでいるのでマデイラはとっても丈夫なお酒、とは知識であったものの。。。

丈夫にもほどがある!!

しかもこれ、試せるのです!しかも無料で!!こんな貴重なものを、なんて太っ腹なマデイラ協会。

あそるおそる口にした100年前のマデイラ。非常にまろやかで蜂蜜の様なバニラの様な…角がまーるくなった柔らかいデザートワイン。まだまだ現役!

ワインを生業にしていると50年とか還暦とかっていうワインを試す機会がままあるので、古酒っていうものに対する感覚が鈍くなってましたが、さすがに100年超え…100年かぁ、なんてちょっとロマンを感じ余韻に浸ってしまいました。

ここまでの古酒は無理にしても近いうちに葵でも「マデイラ」、オンリストしてみますのでお楽しみに。