11月、最終日となりました。本当に転がるように1年があっという間に過ぎていきます。
残すところ1ヶ月、ですが1年で1番のワインシーズン、忙しくなるはず、のシーズンスタート。楽しく過ごしていきましょう。
今日は珍しく赤のデザートワインをご紹介。
「ラルコ レチョート・デッラ・ヴァルポリツェッラ・クラシコ2009」
イタリア、ヴェネト。陰干ししたぶどうから作る特産品的な辛口濃厚ワイン、アマローネが有名です。
今回ご紹介するワイナリー「ラルコ」、葵でもここのアマローネはファンが多い。クラシカルで控えめなラベルが逆に印象的で、ご存知のかたも多いのでは?
同じように陰干ししたぶどうから、甘口に仕上げるのが「レチョート」と呼ばれる赤ワイン。
コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラという地場品種を120日もの長期間乾燥させ、凝縮した干し葡萄から搾汁し醸造、甘さを残して仕上げます。
4ヶ月近く陰干し、ということが可能な年にしか作れない特別なワイン。
少し脱線しますが。
アルコール度数というのは、ブドウの糖度によります。甘口で低アルコール、というのは本来まだ度数を高められるけれど、あえて甘さを残すためにアルコール発酵を途中で止める。辛口で15度とかのワインはそこまで発酵を続けられるくらい糖度が高いブドウということ。
このラルコのレチョートは甘口なのに14%、つまり元のブドウの糖度が凄まじい。
なのに飲んだ印象は、エレガントの一言。
カシスやブルーベリー、黒いプラムのコンフィ、シナモンやクローブのベイキングスパイス、チョコレート。
10年熟成し、濃厚な要素が丸みを帯び、酸と渋みが心地よく底支えする。
デザートワイン、というか、これ自体が完成したデザートです。
甘いものが希少だった時代があったからこそ、こうしたワインを試行錯誤の末生み出したのでしょうが、甘いものが豊富な現在でも、デザートの最高位に位置付けられるものだと思います。
お酒が本当に好きな方に、甘口ワインの素晴らしさを楽しんで頂けるワインです。