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昨日の日曜日は早稲田オープンカレッジ「日本ワイン講座」の4回目。

今回のゲスト講師は九州、宮崎県で「都農ワイナリー」の工場長を務めていらっしゃる小畑さん。以前べつの場所でお会いしたことがあり、お話も面白く、明るく前向きな姿勢といたずらっ子のような笑顔(えらそうにすみません)が非常に印象的でとても楽しみにしていた回でした。(だってブラジルでの醸造経験があるなんて少しわくわくしませんか?)

ワイナリーのある宮崎県、都農町は戦後まもなくからブドウ栽培が始まり、今では宮崎一のぶどう産地となっています。町では特に生食用のキャンベルアーリーの栽培が盛んで、都農ワイナリーはそのキャンベルアーリーに付加価値をつけワインにしてしまおうというのがもともとの設立理由。町が中心となり出資・設立した第3セクター方式のワイナリーです。

都農ワイナリーは海外の専門家からも高い評価を得ています。英国のワイン評価誌「Wine Report」の2004年版ではアジア地区の新進気鋭のワイナリーとして第1位、もっとも価値のあるワイナリーで第2位、もっともお買い得なワインにおいてはキャンベル・アーリーが第1位になっています。さらには世界中のワインを対象にしたもっとも注目すべき銘柄100選に同じくキャンベル・アーリーが選ばれています。2007年版でも「スパークリングワイン キャンベル・アーリー」が選ばれるなど都農ワインはますます注目のワインを造っています。

しかしながらそれまでには雨量や台風、土壌の問題など相当な試行錯誤と苦労があったとの事。特に土壌作りのお話が印象的で、これまでの考え方に捉われすぎない都農の地にベストな方法を模索、実践していくことで、健全なぶどうの収穫と農薬使用量の減少につながっているそう。(すみません、土壌の話は今回は割愛させていただきます。お店でお話しますのでご興味がありましたらお声掛けください。)今はさらに一歩進み、ワイナリー敷地内に堆肥型プラントを建設し循環型農業の実践にも取り組んでいるとお話されていました。

なかでも印象に残っているのが都ワイナリーの地元貢献、コミュニティビジネス(=地域に埋もれている潜在的な人材、資源を生かすビジネス)のお話でした。設立以来の地元貢献としてワイン用ぶどうの地元農家からの買い上げや地場産品などに加え、県内外に対しての発信という意味でも大きな役割を果たしている。それに加え平成16年の「うめワイン」やそれに続く「スパークリングワイン マンゴー」などの販売をおこなっているとおっしゃっていました。正直な話、今までぶどう以外の原料による果実の醸造酒は考えなしに避けてきたところがありました。過去に飲んだものの美味しくなかった経験に加え、無意識に取るに足らないものと思っていたのかもしれません。しかしながら今回のお話の中で、都農町にはうめの産地がありワイナリーのもともとの設立の理由や地域貢献、コミュニティビジネスの考え方に則るとぶどう以外の原料からワインを造ることはしっかりとした意味を持って造られていたことに気づかされはっとしました。知らず知らずのうちに勝手なイメージから考え方が固まってしまっていたことを反省し、何事に対しても先入観を持ちすぎず取り組んで行きたいと考えさせられました。ちなみに「スパークリングワイン マンゴー」はかなり美味しいとの噂。早速試飲してみます!ご期待ください。

現状日本の多くのワイナリーは自社ぶどうのみでワイナリーとしての活動をおこなっているところはかなり少ないです。それぞれがその地域の農家さんとの繋がりの中で、地域社会の中でどのように活動していくのかが問われている気がします。今回の早稲田オープンカレッジでお話を聞けた全ての蔵元さんが自分のワインの話に加えて、今現在とこの先にどのように地域社会とかかわっていくのかを話されていました。ワイナリー、ワイン造りというものはそういうものだったんだなと改めて思うとともに、日本ワインを扱っているものの1人として皆様に届ける「美味しいワイン」を探しつつ今後の日本ワインを取り巻く環境も考えていく事が必要かなと考えさせられました。

他にもいろいろと気になるお話が盛り沢山でした。一粒万倍日と月齢の話やコルクに代わるプラスチックの栓ゾークの話などなど。改めてまた少しずつ紹介していきたいと思いますので気長にお待ちください。早稲田オープンカレッジも残すところあと1回。そのうちこの場で出会えた蔵元さん特集の企画が出来たらいいなと思っていますのでその際はよろしくお願いします。ワインの味わい、品質はどのワイナリーさんも素晴らしかったので!