2011年9月12日 winebaraoi

大きいグラスでクルクルしてください。

この「本日のワイン」カテゴリー、本来なら定期的に更新しなくては、なのですが、すみません、思いついた時にしかご紹介できていなくてm(__)m。なるべく、タイムリーに更新するよう頑張ってみます、ので、ゆるく期待をもって見守ってくださいませ。

 

と、言い訳じみたことから、今週のグラスワインご紹介、スタート、です。

 

まず白ワイン「トレヴァー・ジョーンズ ヴァージン・シャルドネ」。

写真左、長靴がトレードマークの作り手、トレヴァー・ジョーンズさん。オーストラリア南部、メルボルンより地図でみると左上、アデレード市近郊に「バロッサ・ヴァレー」という、オーストラリア有数のワイン産地があります。そこを代表する作り手の一人がこのトレヴァーさん。

もともと、優秀なぶどう栽培農家として有名だった彼が自分でワイナリーを興したのが十年前くらい。「良いワインは良いぶどうから」のセオリー通り、ポテンシャルの高いぶどうから造られるワインは一気に人気実力ともオーストラリアトップクラスに。「オーストラリア初のpp100点ワイン」を獲得したこともあり、不動の人気を得ています。

で、ここで「pp」ってなに?という方に、ごく簡単に説明を。

今世界中で最も有名なワイン評論家、ロバート・パーカーjr氏。。このパーカー氏が採点した点数(ポイント)がパーカー・ポイント=ppです。

1970年代にワイン小売業者向けに「ワイン・アドヴォケイト」という雑誌を発行。それまで世界中にあふれるワインは、地域ごとに格付けとか、慣例的なランクとか、評価の基準がまちまちで、また、そこで使われるワインの表現も「森の下草の香り」やら「よく熟したグロセットのような」とか、??はい??と思ってしまうなじみのない言葉。これでは「ワイン=むつかしい」でなかなか広まりません。

それをアドヴォケイト誌では、価格や慣例に左右されず、パーカー氏個人の評価で100点満点方式であらゆるワインを採点、また、飲み頃は何年先だろう、という予想も含めて。という単純明快さでワインを解説。

これはワイン界において革新的で、現在では、この日本でも「pp○○点」なんていう言葉がワイン屋さんからネットショップまで溢れています。

あまりにも世界的に有名になりすぎたために、アンチ・パーカー的な流れもありますが、まあ、閉じたワインのむつかしい世界を大きく広げた功績は間違いなく、で、ご多分に漏れず葵ちんでも、グラスワインを選ぶときの一つの参考にさせて頂いています、はい。

長くなりましたが、このpp100点をオーストラリアで初獲得したのが、このトレヴァー氏の造ったワインでした、で、今回その彼がつくるシャルドネの白「ヴァージン・シャルドネ」。なぜヴァージン?というと、樽熟成をしていない無垢の白ワインだから、とのこと。シャルドネというぶどうは非常に有名ですが、実はそれ自体は没個性というか、あまり特徴がない、場所や造り手次第という品種。だからこそ樽熟成をしてトロピカルフルーツのようなニュアンスとか、バターキャンディのようなクリーミーさを纏わせたものが、一般的に人気があります。

その樽熟成をしていないこの白、ですがすごーーく味わいがしっかり。酸味と柑橘系の果実味の密度が半端ない、鮮烈な味わい。もともとのぶどうがさぞかし完熟で旨味エキスたっぷりだったんだろう、とワインになってもしのばれる味わい。フルボディといえる余韻もあり。これは、ちょっとお目にかかれない白、ひげ店主も一押し!とのことです。

 

で、もう一つ、写真右の赤ワイン「ラルトワール・ド・シャス・スプリーン2006」

長い名前、で取っつきにくいかも、です。このワインの「格付け」的なバックボーンを説明すると長~くなるのでもう書きません、スミマセン。一言でいうと「知っていると、お、ワイン詳しいね、と思われる近年人気でハズさない『シャトー・シャス・スプリーン』の弟分的ワイン」です。

もうちょっと説明すると、ボルドーの格付けワインではないものの、ここ十年は品質が安定していて、その品質のわりに価格が手ごろ、というワインの一つに「シャス・スプリーン」というのがあります。その、シャスとなるワインのなかから、看板ワインのシャスにするには少し違和感があるかな?というワインだけを集めて瓶詰したのが、弟分的(一般にセカンドワインといわれます)存在の「ラルトワール・ド・シャス・スプリーン」です。

これはとても王道の赤ワイン。細かい渋みと樽の香りと、ちょっとスパイスな感じと黒っぽい果実味と、バランスよく、そんなに重すぎず軽すぎず、ああ、赤ワインって美味しいと素直に美味しい赤ワイン。季節的にもちょうど良いのではないでしょうか?まず白や泡でのどの渇きを癒したあとの2杯目、3杯目にうってつけです。

ちなみに、シャス・スプリーンとは「憂鬱の追放」という意味だそう。いやなことがあった方、そんな気分が晴れるかも?そのお手伝いができれば幸いです(なにより、いやなことがなければそれがベストですけれど…)。あ、関係ないですが今晩は中秋の名月、だそうでお月様キレイです。心が晴れますね(^^)

 

と、今週おすすめ。どちらも今週いっぱいはあるかな?大きいグラスでたっぷりと、クルクル回して飲むのにふさわしいワイン。秋のワインですね。