本日よりスタートした「全国ご当地ワイン」、2回目は「北海道」です。 通常のグラスワインのラインアップに加え6種類、北のワインがお楽しみいただけます。ずらっと並ぶと壮観?ですね。そして、北の清々しいイメージを表しているのでしょうか?ボトルやラベルが全体的にグリーーーン!です。 そんな北海道のワイン6種類、一覧はこのブログの北海道イベントのところをご参考いただければと思います。 ここではその中から、北海道のワイナリーでも老舗の「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」(通称「十勝ワイン」)をご紹介します。 十勝地方、池田町にてワイン造りが始まったのは昭和30年代。 山梨のように昔から農家でどぶろくのようにワインを作っていた、という背景はなく、昭和20年代後半厳しい自然災害(地震と冷害)に見舞われた十勝で、いかにこの苦境から立ち直り地場産業を作り上げていくか、という苦悶の結果、当時の町長さんの声掛けで始まったのがワイン造り。昭和38年に日本初の自治体経営によるワイン醸造がスタートします。 町長さんは闇雲にワインを思いついたわけではありません。もともと十勝には厳寒でもたわわに実る「山ぶどう」が存在しました。 そして十勝には未耕作の傾斜地が存在し、また厳寒といえども日本有数の日照量を誇る、という地の利がありました。 こうした複数の希望にかけワイン造りを始めたわけです…が… 冬の厳寒によるぶどうの枯死、また実っても収量不足のため売れるほどのまとまった量ができない、運営資金の慢性的な赤字、町運営することへの批判… そんな困難の中、耐寒性の強いぶどうを求め数多の交配品種を試験栽培し、寒冷地に適した栽培方法を模索。 何年もあきらめない、あきらめない、とにかく不屈の精神。 結果、山ぶどうをベースに独自の「清見」「清舞」「山幸」など、耐寒性とワインとしての品質、両方に適うぶどう品種の栽培に成功! ワイン造り、ひいては町おこしの成功例として、広く知られるに至ります。 と、文章にまとめるとわずかですが、現在の「北海道ワイン=十勝ワイン」という到達点にいたるまでのストーリーは、まさにNHKの「プロジェクトX」のよう。(実際十勝ワインがテーマになったこともあったのでは?) 詳細を知りたい方、いろいろありますが、「山本博著 北海道のワイン~日本ワインを造る人々~」という熱い書籍があります、ご参考までに。 …